「VUCA」と書いて「ブーカ」と読みます。
これは今の時代のキーワードです。
VUCAの「V」はVolatility(変動性)、「U」はUncertainty(不確実性)、「C」はComplexity(複雑性)、「A」はAmbiguity(曖昧性)で、現在を言い表す4つの名詞の頭文字を組み合わせたものです。
今はまさにVUCAの時代
このVUCAを象徴する出来事があります。
アメリカを代表する企業としてS&P500がありますが、これらの構成企業の平均寿命は1960年代に約60年であったものが、今は20年に満たなくなったという事実です。
まさに、不安定(V)で不確実(U)で複雑(C)、なおかつ曖昧(A)です。
VUCA時代の正しい働き方
こういう時代は、企業に雇用されている人は40年間以上働くわけですから(いやいや、平均寿命100歳の時代は間もなくです。ですから60年間働くことになります)、ひとつの会社で働こうと思っても、すでに働く会社は無くなっている確率は高いわけです。どんな企業であってもしなやかに対応でき、働けるスキルを持つ人は生き残っていけることになります。
逆に、市場価値がない人は無職にならざるを得ない。
ここで業界に限って言えば、働く人の正しい生き残りの方法はフリーランス、あるいは業務委託などの個人事業主になることです。
だってそうですよね、あなたの勤める会社は無くなってしまう可能性は大きいのですから。
これで多くのサロンは雇用の呪縛(じゅばく)から逃れられるかもしれません。
VUCA時代の正しい経営者の意思決定
逆に雇用する側、つまりサロンの経営者に求められる生き残りのための正しい方法は、「行動しながら考える」ということになります。
詳しく説明します。
「知る」➡「理解する」➡「行動する」➡「考える」というのが、一流の経営者の思考プロセスと言われていましたが、さらに現代のようにVUCAの時代には、このプロセスを高速回転する必要があります。知って理解したら即行動してみる、行動しながら微調整して考える。この高速の思考プロセスこそが、この変化が激しく、将来の見通しが困難な時代にとくに大切なことです。
あの「U理論」と似たようなものです。
ところが二流といわれる経営者は「知る」➡「理解する」と、ここまではいいのですが、次に、行動する、を飛び越えて「考える」で留まってしまうんですね。いつまでたっても「行動する」に移れない。
真理はひとつです。
行動しなければ結果は出ない。ゼロです。
チャンスは平等、結果は不平等です。
チャンスは誰にでも訪れます。でも、行動を起こした人だけが結果を手に入れることができるのです。
行動に移れない人の心理は理解できます。
さまざまな今後の良い面、悪い面の可能性を想定して少しでもリスクを軽減しておきたいと。
ところが、最終的に行動するとしても、すでに先行者が利益を独り占めしてしまっていて、時すでに遅しとなるケースが多い。
あるいは、決断したとしても、すでに価値がなくなっていていまさらやる意味がないといった事態に陥ります。
あのときやっていればよかったと後悔しても後の祭りです。
「時間」は有限なのです。時間という貴重な経営資源を無駄にしてはいけません。
ですから逆に、行動しないで考えていること自体が最大のリスクとなります。
知って理解したら、まずはやってみること。やりながら軌道修正をしていくこと。
VUCAの時代に望まれる経営者のあり方ですね。
求めよ、さらば与えられん。
尋ねよ、さらば見出さん。
叩けよ、さらば開かれん。
(新約聖書:マタイ伝)