この1、2年をどうやって凌ぐのか
緊急時の対策は、このブログやFBなどのSNSに連続投稿しましたので、今回は経営者の「マインドセットを変えること」についてです。
マインドセットとは、経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態のことで、 暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念などがこれに含まれます。
だから、マインドセットを変えるのです。変えなければ、この危機は乗り越えていけません。たとえ乗り越えることができたとしても、パラダイムシフトがすでに起こっている業界で事業の継続は難しくなります。
コロナ禍は早期に終息するだろうと考えるのは甘い判断です。ここでもマインドセットが左右しています。過去の失敗と成功のパターン経験がそうさせるのですね。
ところが現実には、コロナ禍の完全終息は抗ワクチン薬が開発され投与されるまで早くて1年、長くて2年かかると各種報道では伝えています。これはほぼ事実と考えてよさそうです。
では、ここからの1年ないし2年をどうやって凌(しの)ぐかが大きな課題になります。新たなマインドセットが必要なのです。
ここで生き残るか生き残れないかの選別が始まったと言えますね。
その間、持ちこたえられるだけの資金があるか、ということ。
だから緊急融資でも借りられるものは借りて凌ぐ、雇用を守るための助成金にもチャレンジしてみるということが、現在考えられる資金繰りです。
あるいは「出ずるを制す」で、家賃の低減、金融機関とのリスケ交渉、店舗の縮小、従業員の休業あるいは整理解雇など、背に腹は代えられませんから、選択肢としてあるでしょう。
通常、資金繰りの方法はここで止まってしまいます。
また、それまでは上記の方法を駆使して凌いだとしても、コロナ終息後、V字回復はできるのでしょうか。はなはだ疑問です。
新たな資金繰り法とV字回復のために
そこで新たな資金繰り法と事業のV字回復のために提案があります。
新たな資金繰り法としてお勧めなのが「少人数私募債」と「増資」です。
私募債や増資を成功させるためのコツは、なんと言っても「新規事業」です。新規事業の規模感によって、少人数私募債の場合は、50人未満の一口の金額が決まります。1口100万円なら5000万円が集まります。半分の50万円なら2500万円です。もちろん事業の内容によっては、たとえ50人に満たなくても1口を複数口資金提供する場合もあり得ますので、希望金額を満たします。
また、増資の場合は人数に制限がありません。出資者の金額も、たとえば一株〇万円で最低株数〇株で増資を依頼します。増資は自己資本比率(純資産)を高めますので、財務体質が強くなり、金融機関の評価も高くなります。
増資は私募債と違って返済する必要のないお金です。
少人数私募債のくわしい内容については「絶対つぶしてなるものか!目からウロコの資金繰り法」で述べましたので参考にしてください。
ちなみに私の経験ですが、少人数私募債と増資によって、およそ3800万円の資金を調達することができました。
新規事業の計画書と増資や少人数私募債の実績を見て、銀行が3000万円のプロパー融資を申し出てきたというオチもありましたね。
新規事業3つのポイント
さて肝心の新規事業です。その形はどういったものなのか。ポイントはいくつかあります。
【1】ストックビジネス
フロービジネスの不安定さが露呈した今回のコロナ禍ですから、真逆のストックビジネスに進出してみる。どんなビジネスがあるのかといえば、着手しやすいのがFCです。複数の支店を展開しているのであれば、各店舗を独立させ、店長を加盟店のオーナーにするという形です。従業員の雇用は解消され、しかも加盟金、ロイヤリティ、材料の一括仕入れ・販売の際のマージンが入ります。
あるいは支店をスピンオフして子会社化するという方法もあります。
【2】異業種との事業提携・アライアンス
サロンの最大資産は、なんでしょうか? お金ではありません、技術力でもありません。それは「顧客情報」です。顧客情報の価値は「量×質」です。あなたは何人の顧客数(量)があって、プライバシーにまで及ぶ深い情報(質)を持っていますか?
量と質の掛け算の値が大きければ大きいほど価値を生みます。この顧客情報こそ最大、最強の資産です! 異業種にとっては、喉から手が出るほどの。
この「顧客情報」をもって、異業種とのアライアンスを組めばいいのです。アライアンスとは、それぞれの企業が得意とする事業分野を持ち寄って共同で事業を行っていくことです。3月27日のブログ「パラダイムシフトを生き残れ」でも紹介しましたが、繰り返します。
美容室と、あの世界的な大企業のトヨタとアライアンスしてトヨタのクルマ、それもその美容室用にモデルチェンジをして販売したという例をご存知ですよね。
この例から学ぶことはたくさんあります。なにせ、あのトヨタも動かすほどの「顧客情報」の威力なのです。トヨタが動いたのですから、他の異業種は動きますよ。それも、女性市場が欲しい業種だったら絶対と言っていいでしょうね。
たとえば、働く女性向け、あるいは主婦限定の生命保険、女性専用ワンルームマンションの不動産、ヨガやフィットネスクラブ、おひとりさま向け資産形成の投資‥‥etc。たくさんあります。
【3】まったく新しいビジネスの創出
いきなりITの事業をしよう、不動産業に進出しよう、どこかのコンビニのオーナーになろうといったことではありません。それらは既存の事業であり、後発で進出したとしても成功の望みは薄いでしょう。
既存には存在しない、まったく新しいビジネスの創出です。
とは言っても、あなたの今行っているビジネスとの相乗効果が期待できるものであったら、成功の確率は飛躍的に高まります。
さて、どんな事業があるでしょう。ヒントは
- オムニチャネル
- CVCとの資本提携・共同事業の創出
です。
ヒント程度はお伝えできます。ただ、今私が提供できるのはその程度に過ぎません。なぜなら、経営者の「覚悟」が要るからです。あなたの覚悟がどの程度なのか、それに完全に左右されます。現在は私のクライアントさんだけに提供できるコンテンツとなっています。
私のコンサルとしての得意分野が新規事業の創出です。豊富な知識とノウハウを持っています。
覚悟があれば、一緒にビジネスプランを考えて、成功への道筋を描いていこうと思います。あるいは、それほどの覚悟はないけれど、今回の記事でピンと来たという方でも結構です。いつものようにメールアドレスを貼っておきますので、お問い合わせください。
masasuzu2811@gmail.com
こういった新規ビジネスならば、少人数私募債や増資は成功する確率は高くなります。
以上が、緊急時を凌ぐ強固な資金繰り対策であり、同時に、今回のコロナ禍ではっきりと知ることになったフロービジネスの危うさを克服して、パラダイムシフトの新たな時代のビジネスシーンで主役級のポジションを築くことができる、つまり新規事業でV字回復を果たすことができる、と自信をもって断言できます。
もうひとつ、重要なマインドセットの転換として、あくまでの従来のコアビジネスとしての美容業、理容業をベースにして、パラダイムシフト後のビジネスのあり方を抜本的に見直す必要があります。
今回のコロナ禍は、従来のビジネスのあり方を根本的に変えてしまう、それだけのインパクトがあると思っています。
ですから、パラダイムシフトなのです。甘く考えていたらダメです。マインドセットの転換が必要です。
次回のブログでは、理美容業の新たな可能性について詳しく説明します。ご期待ください。
見たいと思う世界の変化に、
あなた自身がなりなさい。
(ガンジー)