矢野経済研究所の理美容の市場規模
どこかの業界誌で取り上げたのかな? 私はまったく業界誌は見ないのでわかりません。とにかくここで取り上げるのはタイミングがずれていると思いますが、理美容業界の現在地を知るということで、矢野経済研究所の「理美容市場規模推移と予測」データを紹介します。
だいたい業界で発表される統計データほど当てにならないものはありません。たとえば厚労省で発表される全国の店舗数ですが、データ改ざん問題が表ざたになる前から、かさ上げされた数字のままで、実態を反映していません。なぜなら廃業届がカウントされていないからです。廃業届は厚労省(保健所)に届け出ずに税務署に届けます。それが現状。
ただ数少ない信頼性の高いものとして、この矢野経済研究所の調査は評価できます。
では、その発表内容を見てみましょう。「理美容市場規模の推移と予測:2019年度」です。
過去5年間で500億円の市場が消滅
結論から申し上げれば、2019年度の理美容市場は、売上高ベースで2兆1253億円、前年対比で99.4%でした。0.6%の減少ということは、129億円の売上減少という大幅な落ち込みとなったということです。
美容業は81億円の売上減で99.5%、理容業は48億円の売上減で99.2%です。
過去の推移を見てみましょう。※( )内は前年との増減。
・2019年度:2兆1253億円(-129億円)
・2018年度:2兆1382億円(-92億円)
・2017年度:2兆1474億円(-101億円)
・2016年度:2兆1575億円(-83億円)
・2015年度:2兆1658億円(-97億円)
過去5年間の売上高推移を見てみました。
502億円が過去の5年間で失われた理美容室の売上高です。
この失われた理美容室の売り上げがそっくりそのまま集客のポータルサイトに奪われてしまったという見方もできます。アホらしい限りですが。
(もちろん実質値下げのクーポン乱発で客単価減に見舞われ、売り上げを減少させていったというのが真っ当な分析ですが。)
そして、2019年度は、年末の消費税増税がありましたが、明らかにその影響は見て取れます。それで129億円の減。
数字だけ述べても実感がわかないかもしれませんが、129億円の減少ということは、年間売上高1000万円クラスのお店が1290店舗消えてなくなったということです。500億円なら5000店舗がこの5年間で市場撤退してしまったに等しいのですね。
2020年の予測は200億円のマイナスだが‥甘い!
同調査レポートは2020年の売上予測を2兆1052億円として2019年度より200億円の売上減と予測を立てていますが、はたしてどうでしょうか。
ウイズコロナでのニューノーマルの経済下では、「7割経済」とされています。もちろん業種によって上下はありますが、7割経済とすると、2兆円の大台から滑り落ちて1兆5000億円程度になってしまいます。
はたして、その予測も甘いのかもしれません。
ここのところの東京都の感染者の数は異常です。いくらPCRの検査を多くしているからといって、それだけではありません。従来とくらべて感染率そのものが高くなっているのです。
感染症の専門家の中には、新型コロナの第1派は武漢ウイルス、第2派はアメリカ・イタリア型のウイルス、今は第3派で東アジア特有の新しい型のものだ、さらに感染はクラスターではなくエピセンター(発生源)として、エピセンターを封じ込めなければ、無症状者による感染拡大で感染者の数は膨大な数になると警鐘を鳴らしている人もいます。(そのエピセンターは新宿で、新宿を完全に封じ込むことが必要と)
まぁ、専門家でないのでわかりませんし、一喜一憂するのもいかがなものかと思いますが、いずれにしても正体不明の新型ウイルスで、ワクチンができるまでは、くやしいですけどウイズコロナでコロナと共存していかなければなりません。その間、ウイルスがどんな変異をするかもわかりません。
何度も申し上げているように、新規集客は、どんなお客様に来てほしいのかの明確なターゲティングが重要で、そのターゲットに向けてリーチする確率が高い集客の方法はなんなのか、ターゲットに向けて何を提供しようとするのかの「ウリ」はどのようなものか、新規集客も大事だが、それ以上に既存客との関係維持・強化はもっと大事。
そんな内容をこのブログで書いてきました。まだ読んでない方はぜひお読みください。
経営の正しい方向性を見つけて、実行すべきことをぜひいま実行してください。ウイズコロナを生き抜くために。
それでも‥
萎えるな、ひるむな、おびえるな! 前を向こう! です。
成功と失敗の一番の違いは、途中で諦めるかどうか。