使えるものは使う
新型コロナウイルスに対する政府の対策には批判も多いですが、この悪化した状況を乗り切るには、自分が使える制度を探して、使えるものは使うことが大切です。
政府が打ち出した緊急経済対策は、返済不要な持続化給付金、持続化補助金、家賃支援給付金、特別定額給付金、雇用調整助成金などのほかに、国民年金保険料の減免、公共料金の支払い猶予、各種税金の申告・納付期限の延長、無利子融資などが打ち出されていて、これらのひとつないしは複数を利用された人も多いと思います。
そのひとつで意外と知らない制度が、個人事業主やフリーランス美容師が加入している「国民健康保険料の減免措置」なのです。
収入が3割以上減の人が対象
どんな人が対象になるのかというと、次の2つのケースです。
1)新型コロナウイルス感染症で主たる生計維持者が死亡、または重症の場合
➡新型コロナウイルス感染症によって、主たる生計維持者が死亡、または重篤な傷病を負った世帯は、対象となる期間の保険料の全額を免除してもらえる。
➡罹患していなくても、新型コロナウイルス感染の影響により、主たる生計維持者の収入(事業収入、不動産収入、山林収入、給与収入)の減少が見込まれる世帯で、次の3つの要件を満たす人も保険料減免の対象になる。
1⃣前年(2019年)よりも収入が7割以下に落ち込む見込み(保険金、損害賠償などで補てんされる金額を除く)
2⃣合計所得金額(収入から経費と基礎控除額を差し引いた金額)が1000万円以下
3⃣事業収入や不動産収入のほかに、株式の配当などその他の収入が400万円以下
これら収入が減少した人の減免額は、対象となる期間(2020年2月1日~2021年3月末日の14カ月間)の国民健康保険料の額に、前年の所得に応じて20~100%の割合をかけて計算します。
全額免除の人も
計算方法は複雑で、自分ではなかなか計算するのは難しいですが、所得に応じた減額の目安を記しておきます。
●前年の合計所得金額と減免または免除の額
300万円以下・・・ 全部
400万円以下・・ 10分の8
550万円以下・・・10分の6
750万円以下・・・10分の4
1,000万円以下・・10分の2
間違いやすいので以下のことを念を押しておきます。
1.対象となるのは収入であり、所得(収入から必要経費を差し引いた金額)ではないということ。今年の収入が3割以上減少すると「見込まれる」人が対象となるということ。
2.収入はあくまでも「見込み」であり、結果的に業績が回復して収入が3割減という条件を満たさなかった場合であっても、追加で国民健康保険料の減免額分は納める必要がないということ(役所に確認済み)。
3.上の「減免または免除の額」は対象が「合計所得金額」であるということ。
4.すでに納めた保険料であっても、申請すれば、後日、払い戻してもらえる。
所得合計が300万円以下であれば国民健康保険料は全額免除されるのですから大きいですね。個人事業主の人やフリーランスの人で該当する人は多いと思います。
それ以上の所得であっても減免額の割合は大きいですから、ぜひ申請の手続きをしてほしいと思います。対象となる人はほとんどだと思います。
こういうコロナ禍の緊急経済政策によって打ち立てられた各種制度は申請しないと何も始まりません。正しい情報を得て、該当するようでしたらまずは役所の担当窓口にお問い合わせください。
使えるものはなんでも使って、この緊急時を乗り越えましょう!
この国民健康保険料の管轄はそれぞれの居住地の市区町村です。
「市区町村名 国民健康保険減免」で検索してください。
「知行合一」
知識を身につけることは行動することの始まり。
行動することは、身につけた知識を完成させること。
知っていて行わないのは、未だ知らないことと同じ。
(王陽明)