孫さんの事業の原動力
なにをするにも漠然とではいけません。フォーカスするべきです。
フォーカスした具体的な思いはビジネス成功の原動力でしょう。
あの孫正義さんは、その総資産は2兆円と言われていますが、起業の原動力は「家族の将来は自分が守る」でした。
在日韓国人3世として幼い頃から差別に遭い、父親は彼が中学卒業の年に倒れてしまいます。
大学に入学するなり、毎日1つずつ発明してそれを1年間続けると目標を立て、それを有言実行して、そこで得た資金で会社を設立しました。
二股ソケットの開発秘話
松下幸之助氏はあるとき街を歩いていると女性の言い争いの声が聞こえてきました。一方は、暗くなったから電気をつけたいといい、もう一方は、アイロンがけが終わってないから駄目だという。
そこで2人同時に使えるソケットはできないか、このような不便を感じている人は多いはず、作ればきっと売れるに違いない。そこで「二股ソケット」を開発し、会社で最初の大ヒット商品になりました。
誰の、どんな不便や問題点を解消したいのかと問題設定をフォーカスする。フォーカスした不便や問題点を解消すれば素晴らしい笑顔が返ってくるはずだ。幸せになってくれるに違いない。
このように、具体的に、誰の、どんな(どのような)お悩みや問題点を解決するのかとフォーカスする、解決した果てに素晴らしい笑顔が返ってくる、そんなイメージをありありと描けることが成功の原動力です。
消費税増税だろうが、新型コロナ感染拡大だろうが、関係ありません。
世間のすべての人ではありません、思い浮かべられる具体的な誰々を喜ばす、幸せになってほしい。なぜなら思い浮かべた誰々の向こうには、同じような問題を抱える何百人、何千人、何万人の人がいるからです。
これが「市場」というものです。新しい市場の発見ですね。
凡事徹底 やることはひとつ
そんな思いのボルテージがはっきりと明暗を分ける時代が今だと思います。
凡事徹底。やることは1つです。
具体的に1人2人のお客様をイメージして、あのお客さんをもっと喜ばすことに何ができるだろうか。それを考えて次の来店時に提案する。この繰り返しです。
これを「ペルソナ・マーケティング」と言います。
たとえ提案がピント外れであったとしても構いません。
「この人は私のためにこんなに考えてくれていたんだ」と深い感動を呼び起こすことは必定です。
これ、客商売の原点です。いまこそ原点に帰るときです。
「顧客を知るのは顧客ただ一人」
(ドラッカー)