無策が招くコロナ禍の窮状
物事は順調に行くことはまれです。大抵は日々発生する問題に取り囲まれています。生きることであれ、事業をやっていることであれ、同じです。
「人の一生は重い荷を負うて行くが如し」
とは徳川家康の名言です。
なかでも大きな問題が今、起こっています。
申し上げるまでもなく“コロナ禍”という大問題です。
ワクチン頼みの政権ですが、その肝心のワクチンの供給が間に合わない。たとえ間に合ったとしてもコロナの変異株には効力が期待できないとか、3回摂取が必要だとか、だいいち接種後の副反応が心配だとか、接種後の死亡例が無視できない多さに及んでいるとか、まったく対策もメディアの情報もアテにならず迷走を繰り返しています。
にもかかわらず、見切り発車のオリ・パラ開催で、選手村からとうとうクラスターが発生してしまいましたね。
無策の極めつけは入院制限。中等症の人は自宅療養って、空いた口がふさがりません。中等症って呼吸困難状態にある人のことで、これじゃ国民を見殺しにすることに変わりがないのでは?
事実、PCR陽性者(感染者ではありません!)は異常な増え方で、政府は、あいかわらずの経済活動を犠牲にした緊急事態宣言やまん延防止策を発令するのみで、補償はまったくありません。考えてもいないようです。
国民を見殺しにするどころか、中小企業潰しの現政権と批判されても仕方がないでしょう。事実、菅内閣の政策ブレーンはデービッド・アトキンソン氏と竹中平蔵氏で、日本企業の生産性の低さは圧倒的多数を占める中小企業に起因している、だから中小企業は淘汰されるべきだ、というのが両氏の持論です。
だから中小企業の窮状になんの手も打たず、潰れるものは潰れてしまえというのが政府のホンネなのですね。
キング牧師の言葉
政策批判は本題ではありませんので、この辺でやめておきます。
ただし、アメリカの公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉、
「最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である。沈黙は、暴力の陰に隠れた同罪者である。」
ということなので、こういう貴重なブログというメディアを持っている限りは、言うべきことは言おうと思うのですね。
生死一如
さて本題。このように、コロナ禍を代表とする大きな問題の渦中にあるわけです。
そこで、こんなときこそ先賢と言われる先人の哲人・賢人に学ぼうというのが今回のブログのテーマです。
仏教には「生死一如(しょうじいちにょ)」という言葉があります。
生と死は表裏一体だというわけですね。
だから、より良く死ぬとは、より良く生きることだと。
死に臨んでの最大の後悔は、人生にチャレンジしなかったことだと、終末医療に携わった医師は言います。
こうなると、人生の最大の後悔です。より良く生きてはこなかった‥。
そして、チャレンジした人だからこそやってくる幾多の試練。
時には、もうだめかもしれないと打ちのめされるほどの。
変ずれば通ず
しかし『易経』にはこう書かれます。
「窮すれば則(すなわ)ち変ず、変ずれば則ち通ず」
苦しんで苦しんで進退窮まるほど追いつめられたときに、今までのやり方・考え方を根本から変えてみる。いや、変えるしか手はない。そして変えてみれば、まったく新しい発想でのやり方・考え方が思いつき、ビジネスに応用すれば新たなビジネスモデルの確立ができて、次の繁栄の原動力になる。
原動力になるどころか業界のスタンダードにもなっていく。
そんな意味合いです。
2500年の時を隔ててドラッカーはまったく同じことを言っています。
「世の中の認識が、『コップに水が半分残っている』から『半分空である』に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる。」
進退窮まった人、真っ当な危機意識を持つ人にこそイノベーションの機会がやってくる、反対に、現状維持に甘んじている人にはイノベーションの機会は永遠に訪れることはないのでしょう。なぜなら、“コップに半分残っている”ことで安心してしまうからです。
資本主義の発展には絶えることのないイノベーションの繰り返しが欠かせないのですね。
なぜなら宇宙の絶対法則とは、絶えず変化してやまないことにあるからです(諸行無常)。
どう生きるかを選ぶ
そしてもうひとつ、私の大好きなジョーン・バエズの言葉。
「You don’t get to choose how you’re going to die or when.
You only get to choose how you’re going to live.」
―いつ、どのように死ぬかは選べない。
どう生きるかを選べるだけである。―
まさに「宿命」と「運命」の違いを端的に指摘して、宿命に負けてはいけない、運命を好転させるのはあなた自身だと鼓舞しているのです。
さらにおまけの汽車ポッポ。
「未来は、いくつもの名前を持っている。
弱き者には『不可能』という名。
卑怯者には『わからない』という名。
そして勇者と哲人には『理想』という名である。」
危機こそチャンス!
たとえ状況は窮するようであったとしても、あなたは勇者であり哲人です。
さらに組織をまとめる君子でもあります。
そんな人こそ、変革者であり、時代を担うに足るチェンジリーダーその人であるのです。
「危機」という字は、危険と機会(チャンス)が背中合わせの状態を表しています。まさに「危機こそチャンス」なのです。
この千載一遇とも思えるほどの滅多ないチャンスをぜひわがものとしていただきたいと思うのですね。